
静かな一貫が、語りはじめる。
Simplicity is the ultimate sophistication.
朝どれの魚には、
その朝の海が、まだ閉じ込められている気がする。
香りも、味も、食感も、
まだ海の中にいた時間を纏ったまま、ここにいる。
だから、信頼する漁師や仲買から、まっすぐに届く魚がいい。
鮮度とは、ただ早いことじゃない。
命が、まだ光を放っているということ。
一尾の魚の向こうには、
海の機嫌、季節の揺らぎ、人の手。
目に見えない、さまざまなものが流れている。
それらをそっと感じ取りながら、
私たちは一貫を握る。
魚本来の香りと、命の記憶を宿して。
とれたての魚の香りには、
その魚が泳いだ海や、食べたものの気配が、
ふっと溶け込んでいる。
それは、ほんのひとときしか現れない、
海の呼吸のようなもの。
市場と港、
それぞれの現場に宿る想いに触れながら、
一日のなかで、魚がいちばん美しく光る瞬間を見つける。
その一瞬を、一貫に込める。
鮨とは、そんな日々の積み重ねの、
小さな結晶だと、私たちは思っています。
魚の向こうにいる“人”の手間と想いに、心を寄せながら。
一貫一貫に、命のリズムをそっと宿らせる。
私たちは、ただ"ネタ"を握るのではなく、
海と、季節と、人の営みを、
静かに、手のひらにすくい取るように。
そっと、握る寿司屋です。


群青色に輝く海に囲まれた、神津島。私のふるさとです。
幼い頃から、遊びといえば釣り。
誕生日に出刃包丁をねだった少年は、
釣った魚を祖母に教わって捌き、「美味しい」と喜んでもらえるのがうれしくて、何度も海に通いました。
けれどある日、「食べられる分だけ釣ってきなさい」と叱られました。
命をいただくということの意味を、そのとき教えてもらったように思います。
──無駄なく、丁寧に、美味しく。
その原点が、今も自分の中に息づいています。
魚の向こうにある、海と人の営み。
その一瞬のかがやきを、一貫に込めてお届けできたらと願っています。
ご来店を心よりお待ちしております。
プロフィール
橋場 俊治(はしば しゅんじ)
1986年、東京都・神津島生まれ。
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2005年
服部栄養専門学校 入学。アルバイト先の鮨店で、
後の「鮨さいとう」齋藤孝司氏と出会い、修行を始める。 -
2007年
同校を首席で卒業。 -
2015年
「鮨さいとう」にて二番手を任され、個室を中心に腕を振るう。 -
2020年
「鮨さいとう」初の暖簾分けとして「鮨しゅんじ」を開業。 -
2023年
元麻布にて店舗を移転オープン。現在に至る。
おしながき
昼 12時〜14時半
夜 一部
17時〜19時半
二部
20時〜22時半
御料理
おまかせコース(一斉スタート)
四万円~五万円(税・サ別)
※日々の仕入れ状況によりお値段上下致します
※サービス料十パーセント
※クレジットカード各種ご利用いただけます
定休日
日・水曜日を中心に不定休
(現在、お昼は週に1~2回不定期営業です)

住所
〒106-0046
東京都港区元麻布3丁目6号34番地
電話番号
03-6434-5021
(営業時間とその前後は電話対応できかねます。)
交通手段
日比谷線六本木駅1C出口から徒歩9分
大江戸線麻布十番駅5a出口から徒歩12分
鮨しゅんじの太巻き
厳選したシャリと香り高い海苔を土台に、もろきゅう、ふんわりと焼き上げたたまご、丁寧に炊いた椎茸、甘みと食感引き立つ車海老、ふっくらとしたあなご、そして希少な国産金ゴマを巻き上げました。
一口ごとに、それぞれの素材が調和し、口の中でひとつの物語となって広がります。
贈り物にもふさわしい、心を込めた特別な太巻きです。
太巻き 六千円(税別)
※一日限定 8本
※前日までのご予約にて承ります