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月日は百代の過客にして、
    行かふ年も又旅人也。

旅を続ける時間のなかで、
私たちが立ち止まれるのは、

ほんのひととき。

ここに流れるのは、

都会の時計とは違う、
季節が刻む穏やかなリズム。


今日だけは、

人生という旅を休め、
土地の恵みを愛でるひとときを。

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海へ。

神津島という小さな島で育ちました。
海は、僕の原風景です。

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東京で長く鮨を握ってきました。
けれど、全国の漁場を訪問する内に、

魚が水揚げされる港のそばで、
鮨を握りたいと思うようになりました。

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富山湾は“天然のいけす”

と呼ばれる海です。
日本海に生息する魚の約七割が
この湾で水揚げされると言われます。

 

毎日、驚くほど多様な魚が上がる。

​

漁場が近いから、鮮度が違う。

 

水深千メートルを超える湾と、
標高三千メートルの立山連峰。
その落差が生む豊かな栄養が、
魚に力強い旨味を与える。

 

蟹も、海老も、
驚くほど澄んでいる。

 

複雑な地形が生む海流のなかで、
白えびや幻魚のような
この海ならではの命が育つ。

 

春になると

蛍烏賊は産卵のために
岸近くまでやってくる。
青白い光をまとったその群れは
この海の神秘を

目の前で感じさせてくれる。

 

そんな奇跡のような海のそばで、
僕は鮨を握りたいと思いました。

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